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2025.04.28
飯綱高原・芋井地区の特性を生かすには
域の土と自然を学ぶ勉強会

MOTTAINAI俱楽部と飯綱高原ハーブ事業設立委員会の呼びかけで2025年4月9日、長野県環境保全研究所飯綱庁舎で「飯綱高原・芋井地区の自然の特性を生かした耕作地づくりと自然再生を学ぼう!プレ勉強」を開きました。
長野県環境保全研究所のコーディネートで、生態学と土壌学の各専門家に依頼し、飯綱高原と芋井地区の環境や土壌の成り立ちと特徴、土づくりのポイントと、土壌環境と在来植物との関係などを考えました。
土って何?
MOTTAINAI俱楽部で環境経営アドバイザーを務める南島さん(写真上)は、「そもそも土とは何か」と問いかけ、ネットにある情報などを交えて、「土は粘土と腐植(生物の遺体など)と砂が混じったもの」と解説しました。
スプーン1杯の土の中には100億個・1万種類の微生物がいると言われています。土は月や火星になく地球にしかないもので、4億年に及ぶ長い歴史の中で、土が命を育み、命が土をつくる共進ループを重ねてきた結果、場所によってさまざまな土があるそうです。

スキー場で守られてきた草原環境
長野県環境保全研究所自然環境部の須賀さん(写真上)は、縄文時代から続く長い歴史の中で培われてきた草地に由来する豊かな自然環境が、人間が管理するスキー場という「半自然草原」によって維持されてきたことを紹介し、スキー場跡地に残されている草原の保全・管理の大切さなどを話しました。

飯綱高原スキー場跡地の下は、草原環境でのみ堆積する「黒ボク土」。
採草や放牧、火入れなどの人間活動によって維持され、人と争ってまで利用してきた半自然草原はこの100年に急減し、国土の10%から1%まで減っているそうです。
草原は放っておくと森林になってしまうのが自然の遷移。スキー場跡地も放っておけば植生が変わり、草原性の希少な生き物も姿を消してしまいます。

自然に関する学習交流の拠点
長野県環境保全研究所飯綱庁舎には、さまざまな資料や標本が展示されており、自然の保護・保全に関する学習交流等の拠点として利用することができます。

